首都ニューデリーの大統領宮に到着したスリランカのマイトリパラ・シリセナ大統領夫妻(中央)を出迎える、インドのナレンドラ・モディ首相(右)とプラナブ・ムカジー大統領(左)=2015年2月16日、インド(AP)【拡大】
【国際情勢分析】
スリランカのマイトリパラ・シリセナ大統領(63)がインドを初訪問し、両国関係の再構築に乗り出した。1月の大統領選で、中国への依存を深めたマヒンダ・ラジャパクサ前大統領(69)を破ったシリセナ氏は、大統領就任後初の外遊先にインドを選んだ。来月には中国を訪問する予定で、アジア主要国とのバランス外交を進める意思を鮮明にしている。
新大統領の初外遊先
シリセナ氏は15日にインドに到着し、16日にナレンドラ・モディ印首相(64)と会談した。両国は、核エネルギーの平和利用での協力合意文書に調印し、専門知識などを共有する。インドはスリランカとポーク海峡をはさんだ対岸のタミルナド州クダンクラムに原子力発電所を持ち、スリランカは、かねて安全性に懸念を表明してきた。
インドとしては、安全管理の知見をスリランカに伝えるとともに、将来、予想されるスリランカの原発建設に協力する足がかりを作り、領土問題などで対立する中国やパキスタンの関与に歯止めをかける狙いがあるとみられる。