「漉く前に不純物などを取り除くために茶こしですくうのだが、普段はそれを洗うところを忘れてしまった。翌日見ると、茶こしの形状に和紙の繊維が固まっていることに気付いた。そこから着想を得た」と中原さんは話す。大量生産の時代ではないため、職人に求められるのはオーダーメード、つまり無理難題が課せられる時代だからこそ生まれた気付きとイノベーションと言える。今、中原さんはこの技術を応用した照明などに事業展開を広げていっている。
連携、青谷から世界へ
青谷地方の職人たちが一体となって発信する活動も行われている。中原さんとともに活動する手漉き和紙の伝統工芸士の2人、西村信吾さんと長谷川憲人さんも訪ねた。西村さんは、海外に向けた販路開拓に取り組んでおり、スペインの木版画用紙として用いられていると言う。長谷川さんは地元デザイナーとアクセサリーなどにも和紙を応用する取り組みを進める。