「将来の幹部候補」と目されるスーパースター。年齢的にも肉体的にも先を考える時期に入っているのは、周辺だけでなく、自らも認識していました。一昨年、小久保裕紀監督率いる新生「侍ジャパン」の船出となった台湾遠征に中継の解説者として帯同。そのとき、「将来のための勉強」と明かす姿を見て、引退、その後の指導者への道を意識していることが分かりました。
毎年、彼を慕う多くの若手らとともに沖縄の那覇で行っている1月の自主トレ。私は昨年11月下旬にお会いした際、「那覇にはいつごろ入るんですか」と聞くと、「実は正直、悩んでいる。コーチという役職が付いた立場。若手たちも気を遣うだろうから1人でやるかもしれない」という答えが返ってきました。そのときの目がとても印象的でした。普段は決して表に出さない心の葛藤を見た思いがしました。コーチという重要なポストを悩んだ末に引き受け、その状況とどう向き合っているかが伝わってきました。あくまで私の直感ですが、近い将来、伝統の巨人軍で指揮を執る覚悟さえもあるように思えました。