半島西海岸のクリスタルリバーやホモサッサスプリングスでは、湖や川の底から水温が22度ほどの温かい湧き水が出る。11月から3月にかけて、この温水を求めマナティーたちが集まり、全米でも有数のマナティーの観察ポイントになっている。そして、細かい規則が定められたクリスタルリバーだけが、マナティーと一緒に泳ぎ、間近で観察ができる場所なのだ。
≪独自ルール 保護と観光の共存探る≫
アメリカマナティーたちが住むフロリダ半島は北米大陸南東部から南南東へと突き出し、大西洋とメキシコ湾を分ける長さ500キロほどの大きな半島だ。気候は亜熱帯に属し、ほとんどが湿地帯のため多種多様な動植物が観察できる。
半島南部に広がるエバーグレーズ国立公園は、世界自然遺産とラムサール条約に登録される6100平方キロの広大な湿地帯だ。泥炭層の浅い湿地にはアシのような草が生い茂り、ワニの仲間のアリゲーターや、フラミンゴやトキなどの水鳥たちが暮らす自然の楽園となっている。しかし、都市部の人口増加で周辺部の湿地帯が農地化。ハリケーンの被害も重なって環境は悪化し、現在は世界遺産の危機遺産リストに登録されている。