≪未来へとつながる 自然に囲まれた暮らし≫
タイガで育ったシカやイノシシを捕え、川を泳ぐ魚を自分で釣り上げてさばく。森に咲く花からは蜂蜜が採れる。ここでは身の周りの風景もそこに暮らす生きものたちも、眺めて楽しむ以上に、人が生きるための支えになるものだ。
クラスヌィ・ヤール村では庭や道端に小さな井戸が掘られている。料理を作るにも、バーニャと呼ばれるサウナを準備するにも、鎖につけたバケツで一杯ずつ巻き上げる。ペチカやバーニャを暖める薪は、丸太をおので割って乾かしておかなければならない。
狩小屋での生活はさらにシンプルだ。猟師は小舟で川に網を仕掛け、猟場の高木に待ち場を設えて夜を明かす。獲物はむだなくさばいて、食べきれないものは傷ませぬよう燻煙する。冬は凍った川を道にして、雪の森に獲物を追う。手間と知恵と体力のいる作業がここにはたっぷりある。厳しい半面、タイガと直接向き合い、充足感のある日常だ。そうしてこの土地に寄り添う者に、タイガは恵みを与え続けてきた。