一方、タイガに囲まれた村の生活は規模も小さく、急に発展していくような将来像は見えないが、このタイガがタイガのままである限り、人は何とか生き抜いていける。そんなたくましさがあった。先進国といわれる日本の針路と、タイガに囲まれた小さな村の暮らしと、果たしてどちらがより未来に通じているのか-。
「土地はいくらでもある。何かあればいつでも引っ越してくればいい」。狩小屋のテレビで原発事故を見た猟師は言ったものだ。人は未来の世代に何を残すべきか。なんら変哲のない風景や暮らしにこそ、かけがえのないものが見えてきた旅だった。
お世話になったクラスヌィ・ヤール村の猟師たち、タイガフォーラムのスタッフ、そして家族に改めて感謝したい。(写真・文:写真家 伊藤健次/SANKEI EXPRESS)
=おわり