そして、もう一つ。ぼくは電子書籍は読まないと決めている。諸君は読んでもかまわないが、ぼくの場合は、それをするとこれまで書物を読んできた動的リテラシーが衰弱していくからだ。ま、人それぞれのネット・バカ対策があるわけだ。
【KEY BOOK】「ネット検索革命」(アレクサンダー・ハラヴェ著、田畑暁生訳/青土社、2376円)
グーグルはどんな技術と思想を世界に定着させたのか。それは「万能の福音」をもたらすのか、それとも「見せかけの社会」をつくっているのか。この二つはぎりぎりの両義性として確立しつつあるようだ。本書はこの問題を、やや丁寧に披瀝(ひれき)する。良くも悪くも問題の核心が検索エンジンの出来具合にあることが、よくわかる。ネット利用が拡張しすぎると、検索プロセスに政府機関やユーザー機関が介入することになるだろうとも予告した。