自爆テロがあった首都サヌアのモスク内部を調べる人たち=2015年3月20日、イエメン(ゲッティ=共同)【拡大】
ただ、フランス公共ラジオによると、AQAPは20日、「モスクや市場を狙ってはならないという尊師ザワヒリ(容疑者)の指示に従っている」とする声明を発表し、当初疑われた犯行への関与を否定した。こうしたことから、AQAP以外にも大規模なテロを遂行する能力を持つ過激派組織が現れたとの懸念は強い。
イエメンでは2月、サヌアを掌握してアブドラボ・マンスール・ハディ暫定大統領(69)を軟禁下に置いていたザイド派勢力が一方的に議会解散などを宣言し、事実上、政権を奪取。ハディ氏はその後、出身地である南部の主要都市アデンに脱出し、分裂状態に陥った。
イスラム国サヌア支部を名乗るグループは混乱に乗じて勢力拡大を狙っている可能性が高く、テロで宗派対立をあおる恐れもある。(チュニス 大内清/SANKEI EXPRESS)