自爆テロがあった首都サヌアのモスク内部を調べる人たち=2015年3月20日、イエメン(ゲッティ=共同)【拡大】
米政府高官は、イスラム国が抱く「世界の他地域に暴力を拡大する意志」を懸念すると同時に、運営上の連携が実在するかは分からないと指摘。むしろ、イスラム国の「感染力の高いイデオロギー」が脅威だとの認識を示す。
高い「広報力」共通
声明を先行させ、支配の及んでいない地域の隠れた支持者にも協力を呼び掛ける「広報力」は、国際テロ組織アルカーイダに通じる。実際には連携していないテロでも実行部隊がアルカーイダを名乗る現象は「フランチャイズ化」と呼ばれた。
チュニジアとイエメンの事件で、イスラム国は犯行声明とともに「(事件は)最初の雨粒にすぎない」「作戦は来るべき洪水の始まりだ」などと新たなテロを警告した。だが、イエメンでは、イスラム国と緊張関係にあるアルカーイダ系武装組織「アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)」が存在する。覇権争いも絡み、イスラム国がどこまで活動を本格化させられるかは未知数だ。