ウクライナ情勢をめぐるロシアへの対応について、欧州連合(EU)のドナルド・トゥスク大統領(左)と会談するバラク・オバマ米大統領。同盟関係にきしみが生じる中、米国に同盟立て直しの意思はあるのか=2015年3月9日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
イエスの理由は?
「プーチン氏が権力の座にある限り、西側との対立を求め続けることだ。世界、少なくとも欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力に直面し、封じ込めようとしているという意味で、われわれが冷戦で立ち向かったものとの類似点がある」
ただ、オバマ氏は、この1年のクリミア併合、ウクライナ東部でのマレーシア航空機撃墜、ロシアによる親ロシア派武装勢力の支援による情勢悪化を経ても、「これは新たな冷戦ではない」と繰り返している。
確かに、制裁によりロシアは経済的に孤立の度を強めており、西側と東側の陣営に分かれた冷戦の構図とは異なる。だが、ことさらに新冷戦を否定することで、ロシアの領土的野心を過小評価する危険性がある。
「核兵器を準備」
ロシアはこのところ、冷戦期に時計の針を戻したような軍事的な動きを見せている。