≪全壊校舎再建 岩手・高田高で始業式≫
東日本大震災の津波で全壊した校舎が先月、高台に再建されたばかりの岩手県立高田高(陸前高田市)で8日、始業式が開かれた。4年近く市外に移って授業をしており、生徒は心待ちにしてきた新校舎に笑顔で登校、地元での学校生活のスタートを切った。
式では横田昭彦校長が2、3年生約320人に「これまでよく辛抱してくれた。新校舎での生活がかなわなかった先輩の思いを受け止め前進していこう」と呼び掛けた。生徒は「広いね」「きれい」と話しながら校内を散策。生徒会長の3年、磯谷茉佑さん(17)は「新しい高田高校を築いていけると思うと、うれしさでいっぱい。支援に感謝の気持ちを持って生活していきたい」とほほ笑んだ。9日には入学式があり、新入生約160人を迎える。
旧校舎は震災時、3階建ての屋上近くまで津波が押し寄せ全壊。校内にいた生徒は高台へ避難したが、部活動などで校外にいた生徒22人と教諭1人が死亡、行方不明になった。約2カ月後の2011年5月から先月まで、隣の大船渡市の空き校舎を使い、生徒はスクールバスで通っていた。
新校舎は4階建て。資材価格の高騰などから建設工事の入札は2度不調になり、完成は新年度直前となった。(SANKEI EXPRESS)