米国家サイバーセキュリティー・通信統合センターを訪れ、スタッフらに訓示するバラク・オバマ大統領(右)。左は国土安全保障省のジェイ・ジョンソン長官。サイバー攻撃への対処は、米政府にとって喫緊の課題になっている=2015年1月13日、米バージニア州アーリントン(ロイター)【拡大】
オバマ政権はこれまでロシアによるクリミア併合や、シリアのアサド政権への支援などに関与した個人に対して制裁を科してきたが、サイバー攻撃については制裁のための枠組みが十分ではなかった。米政府高官は今回の大統領令について「サイバー攻撃の脅威と戦うためにはあらゆる手段が必要だ」としている。
米国に対するサイバー攻撃は深刻さを増している。昨年11月に米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが攻撃された際には、ジョシュ・アーネスト大統領報道官(38)が「安全保障上の深刻な脅威」と表明。米議会からも対応強化を求める声が噴出した。また昨年5月には、中国人民解放軍のサイバー攻撃部隊「61398部隊」の将校5人が米原発大手ウェスチングハウスや、米鉄鋼大手USスチール、米アルミ大手アルコアなど名だたる大手企業に対するサイバー攻撃に関与したとして米国で起訴された。
背景にAIIBでの屈辱
一方、これまでもサイバー攻撃への関与を否定してきた中国側は、この大統領令に即座に反発。中国国営新華社通信(英語版)によると、中国外務省の華春瑩(か・しゅんえい)報道官は今月2日の記者会見で「国際社会は相手に対する尊敬と信頼に基づいた対話と協力によってサイバー攻撃問題を解決するべきだ」と述べた。サイバー攻撃の犯人は中国や北朝鮮だと主張する米国へのあてつけだ。