4月5日のオリックス戦の五回、打ち上げた打球を目で追う日本ハムの中田翔(しょう)選手。この後、バットをたたき付け、悔しがりながら一塁に向かったが、打球はスタンドに飛び込んだ=2015年、大阪市西区・京セラドーム大阪(山下香撮影)【拡大】
強烈なインパクトを見せつけたのは、4月5日のオリックスでした。打った本人がバットをたたきつけて悔しがったのに、その打球は左翼席の最前列へと吸い込まれていったのです。日本ハムの4番にして、日本代表「侍ジャパン」でも不動の主砲。プロ7年目を迎えた中田翔選手は今季、さらなる飛躍を遂げようとしています。
「三冠王」。彼は昨年12月、今季の目標をこう話してくれました。2年続けて挑んだ護摩行。激しく燃え上がる炎の前で、プロに入ってから初めて口にした言葉でした。昨年の打点王が自信になっていることは明らかでした。しかし、それ以上に精神的にも技術的にも、その準備が整い始めていることがうかがえました。
年明けから節制に節制を重ねた生活を送ったそうです。朝は卵白のみの卵料理で、昼と夜には脂身のない鶏肉のステーキを4枚ずつ。自分を追い込み、ベストの身体を追い求めました。体重を6キロ絞り込みながら、筋量は増えたといいます。体に切れが出て、しかもパワーもアップ。この身体で今まで以上のパフォーマンスを…。確かな手応えとともに「球春」ともいう開幕の2月1日を迎えました。