首都テヘラン南郊にある半ば休眠状態の製油所。経済制裁が解除されても、イランでは多くの石油施設の保守管理が滞っているため、すぐに生産力を回復させるのは難しいとの見方もある=2014年12月22日(AP)【拡大】
短期の生産回復は無理?
ただ、イラン国内の石油産業の現状などの分析が進むにつれて慎重な見方も増えてきた。
ロイター通信は12日、「イランの供給量が目立って増えてくるのには3~5年はかかるだろう」とする国際エネルギー機関(IEA)のチーフ・エコノミスト、ファティ・ビロル氏(57)のインタビュー記事を配信した。ビロル氏は「経済制裁で原油輸出量が半減していた間に、イラン国内の生産設備の保守管理が滞った」と指摘。生産回復までに設備の更新投資が必要となるものの、外国から投資を呼び寄せるのは簡単ではないとの認識を示した。
ビロル氏によると、低迷する原油価格のあおりで、世界の石油関連企業の投資は2014年から15年にかけて約2割も落ち込んでいる。イランの生産能力は対内直接投資の回復の度合いに左右される側面もあるという。
もっとも、イランの「原油市場への回帰」(ロイター通信)を見込んだ動きは、すでに始まっている。
4月6日付のFT(電子版)は、「テヘランは、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルなどが10年に撤退して以降、外資の投資を熱望している」とし、イランが外資との新たな契約締結に向け動き出そうとしており、「その第一陣は仏トタルと伊エニになる」と具体名を挙げて伝えた。