舞台は、複雑な人間関係を荒野の中でビジュアル化する「動くアート紙芝居」(G2)のイメージ。「嫉妬を美しく」はG2の指示。ヒースクリフをめぐるキャサリンとイザベラの争いを「ヒースクリフとのつながりはキャサリンにとって、ある種の美学もある譲れないもの。お互いが譲れないものを持った上でのケンカは美しい」とG2はひもとく。堀北は「攻撃的にはなれても、美しく見えるかどうかが課題」と悩みながら稽古を重ねている。
慣れすぎていない新鮮さ
「嵐が丘」は、過去に何度も映画化や舞台化がされてきた。ただ人間関係が複雑な分、舞台に乗せるのは難しい作品ともいえ、登場人物はみな、救いようがないようにも見える。
「それが本来の人間の姿かも。携帯電話などなかった時代に人がどうぶつかりあい、悲劇が生まれたかを舞台で仮体験することで、見えなかった何かが見えてくる。『難しい小説』と敬遠している人たちを引き込み、今回を舞台の決定版としたい」とG2は話す。