一方、AP通信は「中国の労働者はソーシャルメディアの拡大を通じて自らの権利に気づきつつある」と分析し、労働問題に取り組む弁護士の「われわれが現在目の当たりにしているのは、本当の意味での労働者運動の形成だ」との見方を紹介。中国では“官製”労働組合の下でのお仕着せのストライキしか許されていないが、当局による摘発などの危険を冒しても独自にストを組織して要求を企業側に突きつける動きが、出稼ぎ労働者を「先兵」として労働階級全体に広がっていると指摘する。
警戒強める当局
当局側は、労働者たちが独自に自らの権利を追求する動きに警戒を強めている。AP通信は、これまで企業による労働法規違反を長年無視してきた当局側が、ストが行われている工場に警官隊や時には警察犬まで派遣して秩序回復に当たっていると指摘する。共産党傘下の労働組合、中華全国総工会の幹部は2月、「敵対的な外国勢力が労働者の支持を得るために非合法の人権団体や活動家を利用し、労働者階級の結束を破壊している」と非難した。