北朝鮮による拉致問題の早期解決を訴えるシンポジウムが3日、米ロサンゼルスで開かれた。約50人の在留邦人らを前に、拉致被害者の家族らが長年解決しない拉致問題の深刻さを説明。全ての拉致被害者が一日も早く帰国できるよう、国際的な協力を呼びかけた。
在留邦人を通じて米国内での拉致問題の認知度を上げ、解決に向けた国際的圧力を高めるのを目的に、拉致問題を調べている「特定失踪者問題調査会」が主催。調査会の荒木和博代表は拉致問題を含む北朝鮮の人権侵害に関して講演し、「アメリカの友人らに伝え、国際的な世論を盛り上げてほしい」と話した。
拉致被害者、横田めぐみさん(50)=拉致当時(13)=の弟、拓也さん(46)は、めぐみさん拉致事件の発生から37年が経過したことを紹介。拉致被害者家族らの苦しみが今も続いていることを明かし、「一人でも多くの人にこの問題が未解決、現在進行形の事件であることを発信していただければ、一日でも早い解決のための手立てになる」と語った。