ハマーに乗るほどなのだから、お金に困っていたはずはない。おなかが空いたのなら、高級レストランに足を運べばいいのだから。それをしないのは、体のことを考えてのことだと容易に想像ができた。
外食では、塩分や脂肪が過多になり、栄養バランスも崩れがちになる。それを嫌い、生鮮品を品定めし、栄養面で最大限の配慮を行っていたのだ。節制しているからこそ、大きなけがはあまりしなかった。フランコが誰よりも長く現役生活を続けることができる要因を垣間見ることができた。
「野球が大好き」という思い
物静かな紳士でもあった。クラブハウスで初めて出会ったとき、「ロッテにいたフランコだよね」と声を掛けると、「そうだよ、日本が大好きなんだ」という答えが返ってきた。顔を合わせれば、日本語で「コンニチワ。ドウモ、ドウモ」とあいさつしてくる。彼のそんな人柄が忘れられない。