この言葉にも刺激をうけたコンスタンティン・ブランクーシ(1876~1957年)は、シンプルな形で、飛び立とうとしている鳥を表現した記念碑的な彫刻「空間の鳥」(1926年)を制作。今回、会場に展示されている。
展覧会に独自色
大巻伸嗣(1971年~)の「リミナル・エアー スペース-タイム」は、無限に変化する空気の流れを可視化する“風の彫刻”だ。水平に張られた布状の素材が、床下から送風機で吹き上げる風で形を変え、単純でありながら、千変万化の“複雑な美しさ”をみせる。送風機はコンピューター制御によってパターン化を崩され、同じ風にならないようにセットされている。いわば、「自然の風」を人工的に生み出しているのだ。
今回の展覧会は、フランスのポンピドゥ-・センター・メスからの巡回展だ。しかし、「シンプルなかたち」という、世界共通の広範囲なテーマということもあり、石膏(せっこう)やガラス製など壊れやすいものは巡回せず、展示品の4割程度を、森美術館が集めた。南條史生館長は「いいコラボレーションの形を作った。普通の巡回展とは中身が違う。森美術館の独自の展覧会になった」と話した。