逸ノ城(いちのじょう、左)を攻める日馬富士(はるまふじ)=2015年5月17日、東京都墨田区・両国国技館(共同)【拡大】
春場所で金星を献上した因縁の相手に横綱の意地を示した。鋭い立ち合いから喉輪で先手を取った。一気に持っていけなかったが、低く攻めて右を深く差し、引いた逸ノ城を追撃して、もろ差しで寄り切った。
会心の内容を、北の湖理事長(元横綱)は「今場所で一番いい相撲だった」と評価した。4日目で平幕の佐田の海に土をつけられて先行きが不安視されたが、それを払拭する一番だった。
横綱に昇進した2012年九州場所以降、優勝は2度だけ。13年九州場所を最後に賜杯から遠ざかり、白鵬の独走を許している。スピードあふれる相撲が持ち味だが、体への負担は大きく、右肘と両足首に慢性の痛みを抱えて土俵に上がる。
体調と相談しながらも稽古は欠かさない。同じ伊勢ケ浜部屋の関脇照ノ富士や宝富士らを牽引(けんいん)し「ずっと稽古をつけてきた。いい基本と見本を背中で見せていきたい」と責任を口にする。1敗を守ってトップ戦線に残り、後半戦に臨む。横綱として好結果を出すことが、弟弟子への何よりのメッセージになるだろう。(SANKEI EXPRESS)