2年前の葵祭(あおいまつり)で、社頭(しゃとう)の儀の代表参拝を務めたことがきっかけとなって、下鴨神社の神事や祭りの撮影をするようになったという。それ以前から個人的に京都を訪れると必ず下鴨神社に立ち寄っていたという井浦さん。とくに「糺の森」にひかれたという。
糺の森は下鴨神社の鎮守の森。下鴨神社は全域がうっそうとした森林に囲まれ、境内林全体を糺の森と呼ぶ。総面積は12万4000平方メートル、東京ドームの約3倍にも及ぶ。
なかでも午前2~3時のいわゆる丑三つ時(うしみつどき)にカメラ片手に「糺の森」を散策するのがお気に入りという。闇に向かって長時間露光でシャッターを切っても、「何も映らないのですけれども、何か映っている感じがする」と話し、「おどろおどろしい恐怖というより、闇の中の清らかさやある種の怖さなどを感じる」と闇への畏怖の念を口にした。