2022年の冬季五輪招致に関して今年3月28日、国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員が5日間の現地調査を終えた際、記者会見に臨む北京市の王安順市長。ほぼ2カ月後に公表された評価報告書の内容に、王市長は招致成功への自信を深めた=2015年3月28日、中国・首都北京市(AP)【拡大】
一方、アルマトイは気の毒なほど多くの「リスク」が列挙されている。北京とは正反対に、財政への不安が語られている。北京の短所である大気汚染についても、同様に深刻だとされている。北京はリスクなしとされている宿泊施設も多くの課題を突きつけられている。
アルマトイの長所は、競技施設がコンパクトにまとまっていることだが、自然環境への影響が残っているという。雪上競技が行われる山岳部へのルートが限られているとして不安視されている。
競技の現場からはアルマトイに分があると評価されている競技運営能力についても、「ノルディックスキー競技とスピードスケート以外について、経験ある人員が不足している」と「×」がつけられた。「雪上競技とそり競技」の人員不足が指摘された北京と大差ない。
提示データを鵜呑みか
国際的にテロへの脅威が高まる中、北京は施設が広域にまたがることによる警備の複雑化が唯一のリスクとされた。対するアルマトイは「すべての警備要員が国際レベルに達しているわけではない」「アルマトイ外から来る警備要員に依存する部分がある」「洗練された指揮、制御、コミュニケーションのシステムが求められる」などと散々だ。