2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立劇場(東京都新宿区)の整備問題が波紋を広げている。タッグを組んで推進するはずの下村博文(しもむら・はくぶん)・文部科学相(61)と舛添(ますぞえ)要一・東京都知事(66)が、負担金などをめぐり、対立をエスカレートさせているためだ。五輪招致時に約1300億円だった建設費について、建築家は現行のままでは2700億円を超えると予想。今年10月の建設着手を目前に勃発した両者の対立に関係者からも「五輪までに新国立競技場の建設は間に合うのか」と不安の声が上がる。
先月の会談で亀裂
「ほら、握手して」
今月2日、東京都港区。日本財団が開いた20年のパラリンピック支援に関する記者会見終了後、出席した下村氏と舛添氏は大会組織委員会の森喜朗(よしろう)会長(77)らに促され、報道陣の前で握手してみせたが、両者の表情には硬さが残ったままだった。