80周年を記念し、今年は車内アナウンスを人気俳優や女優、歌手らが務めている。お決まりの「年配者や子供連れの方、妊娠中の女性などにはぜひ席をお譲りください」との呼びかけは、それぞれのアナウンサーの特徴が出て面白い。
「太陽に灼(や)かれて」などの映画で日本でも知られる映画監督、ニキータ・ミハルコフ氏(69)は、「お忘れ物をなさいませんよう、お気をつけ下さい」とのアナウンスに「まだ皆さんの役に立つものですからね」とそっと一声を添えていた。
モスクワ地下鉄は、1917年の革命以降、急激に増加した首都の人口の輸送を支えるために建設が計画された。30年代初頭、モスクワの人口は400万人に達していたとされる。既存のトロリーバスなどだけでは、人々の移動は困難になりつつあった。当時のソ連はレーニンが死去し、スターリンの時代となっていた。“国家の威信”をかけた一大プロジェクトに、建築家らは頭を悩ませたという。英国やドイツの地下鉄を参考にしたが、あくまでも「ソ連らしい」様式が求められた。