財務省での会合で、ジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会議長(左)と言葉を交わすジャック・ルー米財務長官。ルー氏は、人民元のIMF構成通貨入りにはなおも慎重なスタンスを保っている=2015年5月19日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
リプトン氏の発言の重要性を理解するには、中国が人民元の地位向上を目指し、IMFの準備資産の構成通貨に人民元を加えるよう求めてきたことを念頭に置く必要がある。
IMFの準備資産は通貨危機時などに加盟国同士の通貨交換などに使われ、現在はドル、ユーロ、ポンド、円の4通貨で構成されている。構成通貨に採用されることは、それだけ信用度の高い通貨であることの証しだ。そして国際金融の世界では構成通貨の要件として、為替相場の柔軟性などが挙げられてきた。
「過小評価されたままだ」
IMFは年内に5年に一度の構成通貨の見直しを行う。今回、リプトン氏が人民元相場の水準を適正と認めたことは、人民元が構成通貨入りに近づいたことを意味する。クリスティーヌ・ラガルド専務理事(59)も3月に「加えるかどうかの問題ではなく、いつ加えるかの問題だ」と述べており、人民元の構成通貨入りに向けた機運を後押しした。