しかし、日本国内では2年前から運用されている新ルールが報じられた形跡はなかった。それゆえ、記者も最初に聞いたときは半信半疑だった。
日本球界がこのルールを広く告知していない要因は想像がつく。
今年は野茂英雄さんがメジャーに挑戦してちょうど20年の節目。この間、日本のプロ野球界はスター選手流出にさらされ、有望なアマチュア選手が直接メジャーへ行く流れに危機感を抱いてきた。そんな中で、高校生のメジャー挑戦に歯止めをかける新ルールは、日本球界にとって悪い話ではないからだ。日本高校野球連盟にとっても、新ルールとプロアマ規定のダブルスタンダードは触れたくない話題だろう。
ただ、高校生にとっては、夢への挑戦という「進路の選択」が狭まった状態だ。日本国内で人知れず新ルールが適用されている現状に違和感を抱かざるを得ない。(田中充/SANKEI EXPRESS)