ソールズベリー大聖堂のチャプター・ハウスに展示された「マグナ・カルタ」をみる来訪者。現存する4つの原本の中で最も状態がよく保存されているという=2015年6月15日、英国・ソールズベリー(内藤泰朗撮影)【拡大】
だが、「フラッシュをたいてはダメ。後世までこの遺産を引き継がなければなりません」とクギを刺された。来訪者たちに尋ねると、「修学旅行でやってきた」「英国人として一度は原本を見ておきたかった」「国民の自由と権利を守る世界の法は全てここから始まった。見ないわけにはいかない」…。さまざまな答えが返ってきた。
だが、そんな「宝物」を、第二次大戦中の1941年、チャーチル英政権が米国から戦争協力を取り付けるため、寄贈する計画があった。自由の憲章は、戦争の“道具”として使われる危機にあったという。
ベッドの下のお宝
大聖堂の図書館にも足を運んだ。9世紀からの古い書物を保管しており、まるで博物館だ。司書のエミリーさんは、マグナ・カルタが狙われていることを知った当時の司書が、こっそりと自宅に持ち帰り、ベッドの下に隠していたとの“秘話”を披露してくれた。
「本は、人類の歩みを示す宝だ」。そう語るエミリーさんは「(マグナ・カルタが)一枚のヒツジの皮に書かれた実にシンプルなものだからこそ、重い意味をもつ」と強調した。原本が米国に寄贈されずに残ったことは、誇りだった。