漢の呂后や唐の則天武后とともに三大悪女と呼ばれてきた西太后だが、「西太后」(中公新書)を著し、中国の歴史に詳しい加藤徹明治大教授は、「あの時代、だれが(政治を)やっても難しかっただろう。点数を付ければ70点ぐらいで、よくやったほうだ」と、一定の評価を与える。
中国ではとくに、新しく興った王朝や政権が、滅びた前王朝の為政者の悪口を言いふらすのが伝統だという。西太后もその対象の一人といえるが、とくに晩年、頤和園(いわえん)の造営のために軍事費を流用したために、現代中国でも評判が悪い。西太后は頤和園で、京劇を見て、ごちそうを食べ、豪華な衣装や家具を集めた。しかし、そうした贅を尽くした生活は、中国が世界に誇る文化として今に受け継がれている。(原圭介/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
■「中国宮廷の女性たち 麗しき日々への想い-北京芸術博物館所蔵名品展-」 7月26日まで、渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2の14の14)。一般500円。月曜と7月21日休館(7月20日は開館)。(電)03・3465・9421。