同志社大学で講演するジャネット・ワスコIAMCR(国際メディアコミュニケーション研究学会)会長=2015年6月14日(小黒純さん撮影、提供写真)【拡大】
諸外国との交流いまいち
コミュニケーション自体はパソコンの低廉化とインターネットの日常化により、物理的には国境や社会層の障害をほぼ克服したといってよいが、現実には言語の違いや使用目的、それを管理したい政府やビジネスの論理、人々による「未熟な利用法」などによって新たな問題を引き起こしている。問題の一つに、日本の社会的コミュニケーション研究そのものが諸外国との交流が進んでいないことがある。
筆者はワスコ会長の来日から離日までの5日間、公私にわたるお世話をしたが今回はその体験を基に、メディア・コミュニケーション研究の国際連携のあり方について記しておきたい。
世界的なメディア研究学会には、IAMCRの他に国際コミュニケーション学会(ICA、1950年発足)があり、ともに信頼性が高い。後者はNGO(非政府団体)として国連と協調しているものの、実態は米国中心であるのに対し、前者は1950年代初期の発足以来、ユネスコ(国連教育科学文化機関)との連携で、発展途上国のコミュニケーション過程の問題解消を課題とするなどよりグローバルな活動を展開し、会員の国籍も100カ国以上である。ちなみに日本の学会は日本在住の数カ国の外国人だけ。