2020年東京五輪・パラリンピックのメーンスタジアムとなる新国立競技場のイメージ修正案(日本スポーツ振興センター提供)【拡大】
建築家の槙文彦氏らはアーチ構造が巨額のコストや工期の長さの「元凶」だとし、抜本的な計画見直しを主張。下村博文文部科学相は22日に「謙虚に耳を傾けた上で最終判断したい」との姿勢も見せたが、19年秋開幕のラグビーW杯に間に合わせるには大幅な変更は現実的でないと判断した。アーチ構造をやめれば、屋根だけでなくアーチを支える基盤部分など全体の設計を変える必要がある。JSC関係者は「設計をやり直せば少なくとも1年はかかる。五輪に間に合わせることも厳しくなる」と明かした。
2本のアーチは長さ370メートル以上にも及ぶ。槙氏は「技術上、大変な問題がある」と指摘し、別の建築家も「巨大クレーンを使ってビルを横にしてつり上げ、溶接でつなげていくようなもの。ゼネコンも本当につくれるのか自信がないと思う」と難工事を危惧した。文科省関係者は「終わってみて3000億円を超えてしまえば、アーチは負の遺産になる」と懸念する。
整備費に投入できる国費に限度がある中「頼みの綱」がスポーツ振興くじ(サッカーくじ)だ。超党派のスポーツ議員連盟は、新国立に充てるくじの売り上げの割合を、現在の5%から10%に引き上げるための法改正案を今国会にも提出する方針。成立すれば、近年の売り上げ実績を基にすると年間100億円以上の確保が見込める。