長野県南佐久郡北相木村(きたあいきむら)で田植えを体験する「山村留学生」の児童=2015年5月23日(北相木村提供)【拡大】
人口減と東京一極集中という「負のスパイラル」が止まらない。農村の小学校を存続させるため都市部の子供を受け入れるなど、定住増を目指す自治体は知恵を競って戦略を練るが、壁にぶち当たって悩むケースも少なくない。中核市に相当する20万人台の人口が毎年減り続ける流れを変えられるのか。
子育て支援アピール
島根県中部の中山間地域に位置する邑南町(おおなんちょう)は人口約1万1500人。10年前より約1500人少ない。町は移住者を増やそうと、2011年度から「日本一の子育て村」をキャッチフレーズとして採用。第2子以降の保育料無料化、中学生までの医療費無料化を次々に打ち出した結果、13年度は転入者数が転出者数を20人上回り、04年に2町1村が合併してから初めて転入超過を達成した。町定住促進課の担当者は「町の持続性を考え、高齢者重視から子育て世代の支援強化に思い切ってシフトした成果が出ている」と説明する。