当たり前のように存在するものこそ、実は大きな価値がある。そんなことを実感する出来事があった。
先日、田んぼの生き物調査のイベントに参加した。二十数年ぶりの田んぼ。足を踏み入れたときのドキドキやワクワク感は、幼少期と変わらずとても楽しかった。
私と同じように田んぼに入った大人たちは、みんな笑顔で生き物を探していた。アメンボ、おたまじゃくし、カエル、ヤゴ、ザリガニ、ドジョウ、イトミミズ、ミジンコ、タニシ…。数え切れないくらいの生き物たちが出迎えてくれ、約2時間、生き物調査を行った。私が見つけられたのは10種類ほどだったが、専門家の人から田んぼには5668種類もの生き物がいると聞き驚いた。多くの命を育んでいる田んぼは、ただお米を作るだけでなく、大きな役割を果たしていることが実感できた時間だった。
支え合って生きる
日々、私たちの食卓を支えてくれているお米は、たくさんの命とともに育まれている。そして、人間が「お米を食べたい!」と思うことによって、お米が作られる。田んぼに水が張られ、稲が植えられることによって生き物たちが集まり、命を育む。その生き物たちが、田んぼの土を耕し、豊かな土壌を作り上げ、良いお米が誕生する。お米、生き物、人間は、支え合っているともいえる。