田んぼの役割は、それだけでは終わらない。お米を作り、生き物を育むだけではなく、街の小さなダムの役割も果たし、洪水などの天災対策にも役立っているという。田んぼは、私たちの生活をも見守ってくれている。そして緑の稲が景観を保つと同時に、夏の暑さ対策にも一役かっている。もちろん稲が光合成を行い、二酸化炭素(CO2)を吸収することも…。さまざまな形で命の循環が行われているのだ。
あって当たり前のように感じていた田んぼの役割は、私の想像を超える形で存在していた。
水泳は豊かさの象徴
「一粒百行(いちりゅうひゃくぎょう)」という言葉を知っているだろうか。昔、農家の人たちが使っていた言葉で、一粒のお米を作るには百の行いをしなければ良いお米ができないという意味を持っている。この言葉を「一流百行」と置き換えたらどうだろう。一流になるためには、百の行いをしなければならない…。人間と同じように考えると、たった一粒のお米を作り出すことは容易ではないことが分かる。食卓に並ぶお米は、農家の方々の努力の結晶でもある。お米があって「当たり前」ではない。お米があることは、本当に幸せなことであり、「ありがとう」なのだ。