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【笑顔のアスリート学】田んぼで気づいた「水」の大切さ 萩原智子 (3/4ページ)

2015.7.6 11:30

きれいな水が張られたプールで行われる水泳の競技。水がなくなれば、真っ先にできなくなる=2015年6月23日、アゼルバイジャン・首都バクー(ロイター)

きれいな水が張られたプールで行われる水泳の競技。水がなくなれば、真っ先にできなくなる=2015年6月23日、アゼルバイジャン・首都バクー(ロイター)【拡大】

  • 【笑顔のアスリート学】萩原智子さん。1980年4月13日、山梨県生まれ。身長178センチの大型スイマーとして、2000年シドニー五輪女子200メートル背泳ぎ4位、女子200メートル個人メドレーで8位入賞。02年の日本選手権で史上初の4冠達成。04年にいったん現役引退し、09年に復帰。子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)の手術を乗り越え、現在は講演、水泳教室やキャスターなどの仕事をこなす=2007年7月17日(提供写真)

 「当たり前」という言葉を聞いて思い出すのは「水」だ。私は長年、水泳競技に打ち込んできた。現役時代はプールに水が張っていることに対し、何も考えることはなかった。それは「当たり前」と思っていたからだ。現役から離れ、山登りをする機会に恵まれた。山の上では、飲み水を確保することは容易ではない。入山する前に各自で確保し、何よりも重たい水をザックに詰めて険しい山を登るのだ。人間にとって、そしてこの地球上全ての生物にとって、水は生死を分ける重要なアイテムでもある。

 無事登頂を果たし、水を飲んだ瞬間、ふとプールが頭に浮かんだ。良く考えてみると、水がなくなって一番初めに消滅するスポーツは水泳である。大きなプールにきれいな水を張って行う水泳は、なんてぜいたくで恵まれているスポーツなのだろうか。豊かさの象徴であり、平和のシンボルのようにも感じる。そんな中でスポーツと本気で向き合うことができる…。本当に幸せなことだと心から思う。

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