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「言論の自由」では済ませられぬ神戸事件手記 渡辺武達 (2/4ページ)

2015.7.8 08:30

書店に並ぶ、神戸連続児童殺傷事件の加害男性の手記「絶歌」=2015年7月3日、兵庫県神戸市中央区(頼光和弘撮影)

書店に並ぶ、神戸連続児童殺傷事件の加害男性の手記「絶歌」=2015年7月3日、兵庫県神戸市中央区(頼光和弘撮影)【拡大】

 だから、会合で批判対象とされた沖縄の2紙とその加盟団体である日本新聞協会、メディアとしての危機を感じた日本民間放送連盟などが公式に抗議声明を出したことは当然である。

 それではもう1つの元少年Aの手記はどう考えたらよいのか。第1に、「言論・表現の自由」に加え、名誉毀損(きそん)のほか、わいせつ図画などの刑法との関係からも出版は何ら問題ないと考える。また、度を超えた反社会性を持った内容とも言えず、現行法に基づき、国家もしくはその実務的執行者である検察や警察がこの本の出版と販売を取り締まることはできない。

 だが、筆者が最近読んだ本のなかで、これは最低の部類に入るし、これほど後味の悪い本はない。この手記の出版を知り、近くの大手書店に出かけたが、週間販売で1位だったそうで、すでに売り切れていた。取り寄せて入手したが、どうにもやりきれない思いになった。それは被害者とその家族への思いやりがないとか、自己反省がないとか、金もうけをしようとしてるといったような理由からではない。この本の記述よりも残虐な殺人シーンや性的描写はネットだけでなく、一般書店やビデオショップでも簡単に入手できる現実がある。

社会に寄与せぬ身勝手さ

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