それに、いざ予期せぬ場面で、こういうサメに対峙(たいじ)したとき少しでも冷静に対応できる経験を積んでおきたかったというのもある。実際、素潜りでクジラやイルカを撮影していて、たまたまタイガーシャークに遭遇したことも何度かある。そんなときは腹を決めるしかない。以前は恐怖心で心臓がバクバクして逃げ出したくなったこともある。
今では、逆にそんなサメたちをカメラを持って追いかけてしまうくらいになった。サメもえたいの知れない生き物が接近してくるのは、どうやら怖いらしく、ほとんどの場合、こちらから接近を試みると逃げてしまうことが多い。そういうことも経験から学んだ。
タイガーシャークと泳ぐダイビングは、最近では、日本人ダイバーにも徐々に浸透しつつあり、自分がチャーターするクルーズへ参加したいと希望する日本人も年々増えてきているようだ。
この海域で見られるのは、タイガーシャーク、レモンシャーク、カリビアンリーフシャーク、ナースシャーク、それに、グレートハンマーヘッドシャーク(オオシュモクザメ)など。グレートハンマーヘッドシャークも人気のサメだが、臆病で、通常はあまり近づいてこない。しかし、餌付け慣れしたグレートハンマーたちが、目の前まで姿を見せてくれる。