作られた社会背景
それゆえ、本展では、これまでの戦争マンガ展ではあまり取り上げられなかった作品を数多く採用している。
具体的には、【原爆】【特攻】【満州】【沖縄】【戦中派の声】【マンガの役割】という6つのテーマを、2つの軸によってそれぞれ4象限に分け、24の「戦争マンガ」-手塚治虫や水木しげるの自伝的作品から松本零士、里中満智子の特攻マンガ、小林よしのり「戦争論」や学習マンガまで-を、作品ページ(複製)と関連資料で紹介した。
関連資料は、作品が作られた社会背景を私たちに教えてくれるだろう。例えば、【特攻】コーナーには1950~60年代の少年マンガ誌が展示されているが、それらをひもとくと、第二次大戦中を舞台に主人公の少年兵が敵のアメリカ兵をやっつけるといった「戦記マンガ」や、兵器をマニアックに解説する図説グラビアにあふれていたことがわかる。雑誌の表紙や玩具の広告ページにも零戦や戦艦大和が誇らしげに登場し、いつの時代の雑誌なのかわからなくなる。