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私たちの記憶として再想像する 「マンガと戦争展 6つの視点と3人の原画から」 (4/4ページ)

2015.7.13 14:30

1950年代~60年代の少年マンガ誌とその別冊付録。特にボーイズカルチャーにおいては「戦争」があふれかえっていたことがよくわかる(提供写真)

1950年代~60年代の少年マンガ誌とその別冊付録。特にボーイズカルチャーにおいては「戦争」があふれかえっていたことがよくわかる(提供写真)【拡大】

  • こうの史代「この世界の片隅に」原画よ。1ページの中にモノクロ/カラーが混在するなど、本作では描法的なテクニックが数多く実験されている。本展では、戦中の呉市を舞台にした本作と、現代における被爆2世たちの人生を描く「桜の国」の原画を紹介(提供写真)。(C)こうの史代/双葉社
  • おざわゆき「凍りの掌」原画(部分)。父親のシベリア抑留体験を描く。描き込まれたアナログ原稿の迫力を堪能してほしい。母親の名古屋大空襲の体験を基にした「あとかたの街」の原画も出品。両作は、本年度の日本漫画家協会賞大賞に選ばれた。(C)おざわゆき/小池書院
  • 会場は、各コーナーの象限図をそのまま立体にし、それぞれ小さな4つの部屋を持った6つの“家”からなる。バラックをイメージしたベニヤ板の仮壁が複雑に立つ会場は、迷路のよう=2015年6月8日(松見拓也さん撮影、提供写真)
  • 展示で紹介している24作品はもちろん、100タイトル以上の「戦争マンガ」を集めた読書室も用意した=2015年6月8日(松見拓也さん撮影、提供写真)
  • お菓子の国における少女兵士同士の戦争を描いた今日マチ子「いちご戦争」は、4冊の原画手帳を展示。本作は、おざわ同様、本年度の漫画家協会賞大賞を受賞。沖縄戦をテーマにした「cocoon」の原画も紹介。(松見拓也さん撮影、提供写真)

 エッセーマンガを得意としてきたおざわ(64年生まれ)やこうの(68年生まれ)の「戦争マンガ」は、ご飯を食べたり、流行歌を歌ったりといった銃後の日々を丁寧に描くことで、当たり前だが、戦争中にも、私たちと同じような「日常」を生きてきた人たちがいたことを気付かせてくれる。

 少女時代の独特のメンタリティーを、きわめて現代的な感覚で描き続けている今日(80年生まれ)の手になる戦争マンガは、主人公の少女たちの死が〈いま・ここ〉で起きていることであるかのような痛々しさを突きつけるだろう。

 重要なのは、70年前のことを〈想像〉するための〈リアリティー〉を、作品に見いだす感性だ。本展は、その感性を磨くトレーニングの場となってくれるだろうか。(京都精華大学国際マンガ研究センター イトウユウ/SANKEI EXPRESS

 【ガイド】

 ■「マンガと戦争展 6つの視点と3人の原画から」 9月6日まで、京都国際マンガミュージアム(京都市中京区烏丸通御池上ル)。大人800円、中学・高校生300円、小学生100円。7月15日、9月2日のみ休館。問い合わせは(電)075・254・7414。

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