米大リーグ、レンジャーズを自由契約になった藤川球児(きゅうじ)投手が選んだのは、日本国内の独立リーグ「四国アイランドリーグplus」の高知だった。右腕にとっては故郷でもあり、右肘手術からの完全復活へ再出発の舞台としては打って付けだったようだ。
一方で、独立リーグからは今季も、プロ野球に選手を送り込んでいる。リーグ発足時はレベルや経営面で不安視されていたが、徐々に存在感を高めてきた。
投手で近年の代表格は、藤川投手と同じリーグの香川から入団した中日の又吉克樹(かつき)投手だ。大学から独立リーグを経て2014年ドラフト2位で入団した苦労人は1年目の昨季、いきなり中継ぎで67試合に登板。防御率2.21と安定した投球が光った。
ほかに金無英(キム・ムヨン)投手(ソフトバンク)や星野真澄投手(巨人)も独立リーグ出身者だ。独立リーグの選手、特に投手には「掘り出し物」が多い。
独立リーグの大きな役割は多くの選手に試合に出場する機会を提供することだ。強豪の高校や大学では登板のチャンスをもらえなかった投手が独立リーグで試合数をこなすことで、課題の制球難を克服するなどで成長していける。実戦登板で、腕の振りなど自分に合った投球フォームを確立できれば、成長の余地も大きくなる。