一方、独立リーグの選手は日本のスカウトが目に入れやすく、何より日本になじんでいるかどうかがすぐに判断できる。球団にとって契約金もそれほど高くなく、たとえ、活躍できなくてもリスクも高くない。選手からしても月給数10万円の独立リーグよりは待遇面でありがたい。さらに独立リーグの球団としても、日本のプロ野球に移ってくれれば移籍金も入るので、経営面でメリットがある。
さまざまな事情の中で成り立っている独立リーグだが、プロ野球に移籍できる期限は7月末になる。藤川投手は、果たして視察に訪れるスカウトたちに「火の玉ストレート」復活を印象づけることができるか。右肘の回復具合を含め、厳しい環境からはい上がってくることができれば、独立リーグの存在価値はまた高くなるだろう。(アトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当 大屋博行/SANKEI EXPRESS)
■おおや・ひろゆき 1965年10月生まれの47歳。大阪府出身。高校中退後に渡米し、アリゾナ州スコッツデール市立コロナド高校で投手としてプレー。コロナド高を卒業後に帰国し、プロ野球阪神で練習生、歯科技工士などを経て98年に米大リーグ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの国際スカウト駐日担当に就任。2000年からアトランタ・ブレーブスの国際スカウト駐日担当として日本国内の選手発掘に励む。