日本ハムの大谷翔平選手。高校時代はメジャーへの直接挑戦を目指していたが、メジャーリーグ機構が導入した新ルールによって、直接挑戦の道は事実上閉ざされた=2015年6月14日、北海道札幌市(高橋茂夫撮影)【拡大】
【メジャースカウトの春夏秋冬】
メジャーリーグのスカウトになって18年目のシーズンを迎える今季、転機が訪れた。
これまでの「アマ担当スカウト」から「プロ担当スカウト」への肩書の変更だ。名前の通り、担当する対象が変わった。これまでの高校生や大学生、社会人といったアマチュア選手を中心としたスカウト活動から、フリーエージェント(FA)やポスティングシステム(入札制度)によって米大リーグ移籍をうかがう日本のプロ野球選手の視察がメーンの仕事へと移った。
日本国内でブレーブスのスカウトは私だけ。これまでもプロ、アマ問わずに視察してきたのだが、プロの比重を高めた背景には、メジャーリーグが海外のアマ選手獲得に関する制度を変更したことが関係している。
5月までに個人情報登録
実は、メジャーの球団は1995年9月1日以降に生まれた海外のアマチュア選手を獲得する場合、メジャーリーグ機構(MLB)コミッショナー事務局に対し、5月までに選手の個人情報を事前登録しなければならない新ルールが設けられた。日本国内では最近まで報道されていなかったため、このことを知らない野球ファンも多かったのだが、海外ということで、もちろん日本の選手も対象になっている。