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【世界自転車レース紀行】(29)イタリア 女性最高峰の戦い「ジロ・ローザ」 (3/4ページ)

2015.7.29 15:00

148選手が出場した今年の「ジロ・ローザ」。女子ロードレース界のトップ選手がみな出場する大会で、高いステータスを持つ=2015年7月12日、イタリア・ピエモンテ州ベルバニア(田中苑子さん撮影)

148選手が出場した今年の「ジロ・ローザ」。女子ロードレース界のトップ選手がみな出場する大会で、高いステータスを持つ=2015年7月12日、イタリア・ピエモンテ州ベルバニア(田中苑子さん撮影)【拡大】

  • ステージ優勝を挙げた萩原麻由子にチームメートのエリサ・ロンゴ・ブロンジーニが駆け寄って、勝利を喜ぶ。エースのロンゴ・ブロンジーニのために献身的に走っていた萩原にとってサプライズともいえる勝利だった=2015年7月12日、イタリア(田中苑子さん撮影)
  • 最終日となった第9ステージ、厳しい山岳ステージで優勝した萩原のチームメートであるマラ・アボット。ウィグル・ホンダは総合成績はマラの2位に留まったが、全日程を通してステージ2勝という結果だった=2015年7月、イタリア(田中苑子さん撮影)
  • ステージ優勝を挙げて、表彰台に立った萩原麻由子。日本チャンピオンの証しである日の丸の入ったチャンピオンジャージに身を包んでいる=2015年7月、イタリア(田中苑子さん撮影)
  • 穏やかな雰囲気のなかでレースの準備を進めるウィグル・ホンダの選手たち。イタリアやアメリカ、ベルギー、そして日本など世界各国のチャンピオンクラスの選手が集うタレントチーム=2015年7月、イタリア(田中苑子さん撮影)
  • フリーランスカメラマン、田中苑子(そのこ)さん。1981年、千葉県生まれ。2005年に看護師から自転車専門誌の編集部に転職。08年からフリーランスカメラマンに転向し、現在はアジアの草レースからツール・ド・フランスまで、世界各国の色鮮やかな自転車レースを追っかけ中=2011年1月30日(本人提供)

 第6ステージは途中3つの山岳を越える102キロのコースレイアウト。萩原の所属するウィグル・ホンダには総合優勝を狙うマラ・アボット(アメリカ)とエリサ・ロンゴ・ボルギーニの2人のエース選手がいるため、チームから萩原に課せられた指令は、エースのために走ること。具体的には、得意の登坂力を生かし、アタックをかけて先行、萩原を追うライバルチームの体力を奪うというものだった。

 そして、この日は作戦通りに萩原を含む7選手の“逃げ”が序盤に決まると、終盤に追撃を仕掛ける有力選手たちの集団が追いつく展開となった。そこにはしっかりとウィグル・ホンダのエースも含まれていた。そして最後の山岳で再びアタックを仕掛け、今度は単独で先行した。

 「できるだけ長く逃げて、他のチームにダメージを与えたかった」と話す萩原、ゴールが近づくにつれて、徐々に萩原と追走集団とのタイム差が詰まってきたが、残り5キロを切ってから、その差は30秒で保たれ続けた。エースのために一生懸命走っていた萩原だが、残り1キロを切って、後ろを振り返ったときに、後続が追いついてこないことを確認。ここからは自分の勝利を目指して、向かい風の中で懸命に走り続け、自身にとって欧州での初勝利となるうれしいステージ優勝を挙げた。またチームとしても、総合上位にいる選手を何人か振るい落とす結果となり、萩原の走りは大いに評価されたのだ。

東京五輪でのメダル獲得も現実味

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