高橋源一郎の『デビュー作を書くための超「小説」教室』はそうした疑念に対する最終回答で、新人賞の選考会が正味の話、どのようにしておこなわれているか。選考委員という人たちは実際の話、なにをどのようにして考えているのか。新人賞を受賞する小説とは、マジ、どんな小説なのか、というようなことが書いてある。そしてもっというと、小説とはなにか、ということも書いてある。読み狂人は愚者なので、いまさらながら、あっそうか、と膝を打ち、打ち過ぎて膝が砕けて殆どなくなってしまった。
正しくない日本語でも
これを読めばあの美しい女性も私が、新人賞に応募なさい、と言った言葉が嘘や偽りでないことをわかってくれるだろうと思う。ほんまのこと言うて、ここにはいろんな賞のなかでどの賞に応募したらよいか、みたいなことも書いてある。
そして例えばここまで読み狂人の書いてきた文章には多くの欠陥や屈曲のある正しくない日本語で、普通ならどやされる。でも新人文学賞はそれを一概に瑕疵としないということが四章の実際の選評に明らかである。ひとつ問題があるとすれば、この本が出る前の新人と出た後の新人に不公平が生じるという点か。うるる、やね。うくく、屋根。(元パンクロッカーの作家 町田康、写真も/SANKEI EXPRESS)