【メディアトリガーplus(試聴無料)】映画「セバスチャン・サルガド_地球へのラブレター」(ジュリアーノ・リベイロ・サルガド、ヴィム・ヴェンダース共同監督)。8月1日公開(提供写真)。(C)Sebastiao_Salgado、(C)Donata_Wenders、(C)Sara_Rangel、(C)Juliano_Ribeiro_Salgado【拡大】
「私はセバスチャン・サルガドという写真家を、父として描きたかったのではありません。一人のアーティストとしての彼と世界の『今』を見せたいと思ったのです。ですから、父との距離を保つために第三者の介入が必要と考えました。ヴィム・ヴェンダースを共同監督に迎えられたことは本当に幸運でした」。そう語るジュリアーノ監督の言葉の端々には、父サルガド氏に対する愛と敬意があふれていた。
「今」ある矛盾と不幸
フランスとブラジルのテレビ局で多くのドキュメンタリーや報道番組を制作し十分なキャリアを積んだジュリアーノ監督が、父サルガドの世界を巡る撮影の旅に同行しながら撮りためた貴重な映像は、ヴェンダース監督との共同作業によって素晴らしく構成されていた。2人の監督によるナレーションも心地よく、3人の表現者の関係を静かに熱く伝えてくれる。
サルガド本人が自分の作品(写真)を見つめながら、当時の思い出や撮影秘話を語る。美術館やギャラリー、写真集などで見てきた強烈な作品たちを、映画館の大スクリーンで見るのは格別な体験である。改めて、なぜセバスチャン・サルガドが歴史に名を残すであろう偉大な写真家であるかが確認できる。