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内田正泰記念アートギャラリー はり絵の世界で心通う暮らし (3/4ページ)

2015.8.10 13:30

「内田正泰記念アートギャラリー」は江ノ島電鉄の長谷駅から歩いてわずか1分。すぐそばには踏切もあり、まるで内田さんがはり絵で描く世界のようなのどかな光景が広がる=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市長谷(田中幸美撮影)

「内田正泰記念アートギャラリー」は江ノ島電鉄の長谷駅から歩いてわずか1分。すぐそばには踏切もあり、まるで内田さんがはり絵で描く世界のようなのどかな光景が広がる=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市長谷(田中幸美撮影)【拡大】

  • 内田正泰記念アートギャラリーの外観。白い瀟洒(しょうしゃ)なギャラリーは隣のシェアハウスと一体となった作りになっている=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市長谷(田中幸美撮影)
  • 「鎌倉の町のにおいが大好き。自然と一緒に住んでいるという空気を感じて創作したい」と話すはり絵画家の内田正泰さん。鎌倉に引っ越して、いっそう創作意欲がわいたという=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市の「内田正泰記念アートギャラリー」(田中幸美撮影)
  • 来館者に自身の作品の解説をする内田正泰さん。運がいいと内田さん本人に合うことができるかもしれない=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市の「内田正泰記念アートギャラリー」(田中幸美撮影)
  • 白い壁に囲まれたおしゃれな部屋ではり絵を作る内田正泰さん。はり絵への情熱は衰えることなく、作っているときははいつも笑顔だ=2015年7月14日、神奈川県鎌倉市の「内田正泰記念アートギャラリー」(田中幸美撮影)
  • 内田正泰「水道のいろ」(提供写真)
  • 内田正泰「ふるさと」(提供写真)

 ほぼ毎日午前5時半に起床、そのまま海まで散歩したり、近くの寺に行ったりするという。生活信条は、「歩く、考える、食べ過ぎない」こと。

 「生きて、指が動いて、気持ちがある限り、誰もしないことをやりたい」と、今も創作意欲は衰えることがない。葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵画家を引き合いに出し、「追いつきたい」と話す。その一方で、「観光にこびるような作品は作りたくない。自然と一緒に住んでいるという空気を感じて作っていきたい」とも。

 その背景には自身の戦争体験がある。海軍航空隊に召集されたが体をこわして戦地へ赴かずに終戦を迎えた。隊の仲間同士がサーベルを手に争っているのを目の当たりにして、自らの日記に「内部で争いをしているようなものが外敵に勝てるわけがない」と書き込んだ。それを上官に見つかり、こっぴどく殴られた。「死ぬかもしれない」。薄れゆく意識の中で「命が残っているならこの世に残るものを作りたい」と切に思った。

「なんでもやれる。誰もやらないことをやりたい」

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