【アートクルーズ】
伝統を覆し「異端児」と呼ばれたフランスの作曲家、エリック・サティ(1866~1925年)。その生きた時代は、美術界でもさまざまな新しい手法が試みられた。「エリック・サティとその時代展」(東京・Bunkamura ザ・ミュージアム)では、サティと美術家の交流を通して、芸術が“共鳴”する姿を浮き彫りにしている。
サティの代表作といわれる「ジムノペディ」1番を聴いたことがあるだろうか? テレビドラマの背景音楽などにたびたび登場しているので、クラシックファンならずとも、聴けば、「あ、この曲ね!」と思い出すだろう。
古代ギリシャの祭典から発想したというジムノペディの1番は、いつ終わるとも分からないような繰り返しが中心で、静かに波が寄せては返す海辺の風景を思わせる。BGMとして流れていると、ぼんやり物思いにふけりたくなる。