コラージュと類似
ところが、サティの姿勢は、この時代、美術界の中で起きていた一大変革の動きと一致していた。
いうまでもなく、19世紀半ばの印象派の出現から、美術とくに絵画は、聖書や神話を描いてきた“物語性”を排除し、絵画そのものの理念や美しさに向かう。サティがパリのモンマルトルで活動していた時代は、後期印象派、フォービスム、キュービスム、エコール・ド・パリ、シュールレアリスムなど多くの画家が、自分のスタイルを求めて、新しい表現に挑戦していた。
そのうち、サティが交流したのは、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラック、アンドレ・ドラン、フランシス・ピカビア、コンスタンティン・ブランクーシ(彫刻家)、マン・レイ(美術家・写真家)らキュービスム、フォービスム、ダダなどの美術家たちだった。