【川内原発再稼働】「安全神話」決別　新規性基準で初　１４日にも発送電 (1/4ページ)

　九州電力は１１日午前、川内（せんだい）原発１号機（鹿児島県薩摩川内市）の原子炉を起動し、再稼働させた。２０１１年３月の東京電力福島第１原発事故後、新規制基準に基づく原発の再稼働は全国で初めて。１３年９月に関西電力大飯原発（福井県）が停止して以来、日本は約１年１１カ月ぶりに原発ゼロの状況が解消した。

　１号機には１５７体の燃料棒が装荷されており、４８本ある制御棒のうち、３２本を引き抜いて原子炉を起動。午後１１時ごろには、核分裂が安定的に持続する「臨界」に達する見通し。

　１４日にもタービンを起動して発電と送電を始める。その後、出力を徐々に上げて原子炉をフル稼働する「定格熱出力一定運転」に移行。１カ月ほど安定して運転を続けながら９月中旬にも営業運転へ復帰する。

　国内の原発は東日本大震災以降、段階的に運転を停止していた。川内１号機は１１年５月に定期検査のため停止して以来、約４年３カ月ぶりの運転となった。

　川内原発は１３年７月、原子力規制委員会が作成した安全対策を大幅に強化した新規制基準の適合性審査を申請。審査で大きなハードルとなっていた基準地震動（想定される地震の揺れ）や基準津波（想定される津波の高さ）の設定をいち早くクリアし、他の原発に先んじて審査を集中する「優先原発」に選ばれていた。

福島事故から４年５カ月　真剣勝負の審査