再稼働を翌日に控えた8月10日、川内(せんだい)原子力発電所の正門ゲート前は物々しい雰囲気に包まれた=2015年8月11日、鹿児島県薩摩川内市(寺口純平撮影)【拡大】
九州電力は10日、鹿児島県薩摩川内市の川内(せんだい)原発1号機(出力89万キロワット)について、11日午前10時半に原子炉を起動し、再稼働すると発表した。2011年3月の東京電力福島第1原発事故後、安全対策を強化した新規制基準に基づく原発の再稼働は全国で初めて。13年9月に関西電力大飯原発(福井県おおい町)が停止して以来、日本は1年11カ月ぶりに「原発ゼロ」から脱却する。
川内1号機は11年5月に定期検査のため停止して以来、約4年3カ月ぶりの運転となる。九電は先月7日の燃料装荷から約1カ月にわたり、安全設備の検査や重大事故を想定した総合訓練などを実施してきた。
今月4日から原子炉の温度・圧力を上げて最終調整に入っていたが、10日午後、緊急時に炉心に挿入して核分裂反応を停止させる制御棒の作動検査が完了し、再稼働に向けたすべての態勢が整った。
九電によると、11日午前10時半に原子炉を起動したあとは、11日午後11時ごろに核分裂反応が連続する「臨界」に到達する。14日にもタービンを起動して発電と送電を始める。そこから出力を徐々に上げて原子炉をフル稼働する「定格熱出力一定運転」に移行し、1カ月ほど安定して運転を続けながら、9月中旬にも営業運転へ復帰する。