氷河特急の終点ツェルマットの街(1620メートル)からゴルナグラートの頂上(3089メートル)まで、マッターホルンを眺めながら一気に登るゴルナグラート鉄道。山道が整備されているので帰り道は池を廻りながら散歩するのも楽しい=2015年7月5日、スイス・ヴァレー州(唐木英明さん撮影)【拡大】
山好きの私は日本をはじめとして世界各地の山を眺めてきた。山の魅力は何といっても雪を冠(かぶ)った高山とそこから流れ出す氷河の美しさだ。かつて日本には氷河はないといわれていたが、最近になって北アルプスの立山連峰に小さな氷河があることが確認されたことはちょっとうれしい出来事だ。
氷河はその重みで山の斜面をゆっくり滑り降りる。その速度はスイス・ユングフラウ地域のアレッチ氷河では年間30メートルというデータがあり、全長30キロの氷河なら溶けるまでに1000年はかかる。カナディアンロッキーのアサバスカ氷河やアルゼンチンのペリト・モレノ氷河は観光地として有名だが、人間が住む場所とごく近い距離に多くの氷河があるのがヨーロッパ・アルプスだ。観光開発が行われたアルプスは、3000メートルを超す山頂までロープウエーが設置され、氷河を見ながら夏は山歩き、冬はスキーを楽しむことができる。
仕事でイタリア・ミラノ国際博覧会を訪れることが決まったとき、真っ先に思いついたのがアルプスの山々を眺めに行こうということだった。